1930年代のアメリカで、ギャングをも恐れさせた無敵の人物がいたそうです。
「無敵のマロイ」と呼ばれる酔っぱらいのホームレスは、ギャングから何度も殺されかけたにもかかわらず、なかなか死にませんでした。それはあのロシアの怪僧ラスプーチンを超えるかもしれません。
目次
「酔っぱらいのホームレスに保険金をかける」
1932年に、ニューヨークのギャングトニー・マリノは、酔っぱらいのホームレス、マイケル・マロイ(Michael Malloy)に生命保険をかけました。マロイはマリノが仕切る「スピークイージー(密売酒の販売所)」の常連だったようです。
そして、ギャングはマロイを事故に見せかけて殺し保険金を手に入れようと企てました。いわゆる保険金殺人ですね。しかし、マロイを殺すのはラスプーチンを殺す以上に困難だったようです。
「酒を飲めば飲むほど生き返る」
ギャングは、マロイにウィスキー、ジン、スコッチ、バーボンなど、大量のお酒を水のように飲ませたそうです。おそらくわざと酔っぱらわせて殺そうとしたのでしょう。しかし、お酒をいくら飲ませても効果はなく、マロイは平然としていたそうです。象をも倒すような安い密造酒を大量に飲んでも平気だったそうです。
むしろ、マロイはお酒を飲めば飲むほど生き生きとし、寿命が延びたようにさえ見えたようです。これを見てギャングは不安になりました。
その後ギャングはメチールアルコールをロックで飲ませたり、ネズミを駆除する毒を酒に加えたりしましたが、それでも効果がなかったそうです。マロイは、何を飲まされても喜んでいたそうです。
酒だと効果がないとわかったギャングは、マロイの食事に毒を入れましたが、それも効果がなかったそうです。
さらに、ギャングは車でマロイを轢こうとしたり、マロイの替え玉を用意しようとしたりしましたが、すべて失敗しました。
まさに無敵だったようです。
「マロイとギャングの最後」
最終的に、ギャングはマロイを殺すことができました。
1933年2月22日、ギャングはマロイを酔わせることに成功し、ガス中毒にみせかけてようやくマロイを殺しました。
ギャングは協力者の医者にマロイの嘘の死亡診断書を書いてもらい、マロイの保険金を受け取ることができました。
しかし、その後警察に不審に思われ、マロイの遺体が掘り出されて犯行がばれてしまいます。そして、最終的に犯行に関わったギャングたちは電気椅子に送られ、死刑になったそうです。
ギャングはマロイを倒すことができましたが、最終的にギャングたちの勝利とはいかなかったようです・・・。
via:Malloy the Invincible / Malloy the Invincible
[amazonjs asin=”4822247503″ locale=”JP” title=”アメリカの地下経済:ギャング・聖職者・警察官が活躍する非合法の世界”]