ニューヨークのプラザホテルは、一泊1000ドル以上(約10万円以上)もする高級ホテルです。
しかし、そんな高級ホテルのスイートルームに月500ドル(約5万円)で35年間も住んでいた女性がいました。なぜそんなことが可能だったのでしょうか。
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部屋をアパートとして長期契約で貸し出した
それは、過去にプラザホテルが経営難に苦しんだことが関係しています。
経営難に苦しんだホテルは、毎月の定期的な収入を確保するために部屋を長期契約で貸し出したのです。
その時に契約したのがこの女性の夫でした。そして、夫が亡くなってからは女性がその権利を引き継いだため、豪華ホテルに破格のお金で住むことができたのです。
また、ニューヨークには家賃統制令という法律があり、家賃が市場価格以下に抑えられました。この法律のおかげで、いくらホテルの宿泊費は高くなっても、女性のホテルの家賃は高くならなかったのです。
地獄から来た女
この女性はファニー・ローエンシュタイン(Fannie Lowenstein)さんです。
従業員からは「地獄から来た女」と呼ばれていました。
なぜそんな風に呼ばれていたかというと、女性のエキセントリックなキャラクターのためです。
夏でもお気に入りのパープルのロングコートを着て、イギリス訛りの英語を話しました(イギリス出身ではありません)。女性はまるで自分がホテルのオーナーであるかのようにふるまいました。
そして、ホテルのあらゆることに文句をつけるトラブルメイカーでした。
弁護士と手を組んで、カーペットに欠陥があるとして訴訟を起こしたり、「(ホテルは)有害な塗料で私を殺そうとしている」と訴えました。
ドナルド・トランプがオーナーに
また、プラザホテルはあのドナルド・トランプが買い取ったことで有名になりました。
トランプは購入するときにローエンシュタインさんの話を聞かされていました。
トランプは彼女と個人的に面談をして、ホテルの部屋の10倍の広さのアパートを提供すると伝えました。彼女はそれに同意したそうです。
しかし、その後女性は体調を崩して(プラザホテルの塗料が原因だと思っていたようです)別のホテルに移動し、そこで1992年に亡くなりました。85歳だったそうです。
彼女はプラザ・ホテルを家賃統制法で借りていた最後の住人だったそうです。
via:‘The Eloise from Hell’: The Little Old Lady Who Terrorized New York’s Famed Plaza Hotel / This woman lived in the iconic Plaza Hotel for 35 years for $500 a month — until Donald Trump came along